

女性が健やかに、イキイキとした毎日を過ごしていくためには、どんな知識をもち、何をしていけばいいのか?女性医療ジャーナリストの増田美加さんとMiMC代表の北島寿が語り合いました。
連載第1回目は、増田さんご自身が経験し、現在もサバイバーの立場で支援活動に携わられている“乳がん”について伺いました。
医師に自分の乳房のタイプを聞いてみよう
- 北島:
- 増田さんは2006年に乳がんを体験されましたが、検診で乳がんであることを知ったのですか?その後で仕事のスタンスが大きく変わったと伺いました。
- 増田美加さん:
(以下、増田)
- 私は2006年に乳がんを発症したのですが、乳がんに関する取材を多数行っており、「乳がんの検診を受けましょう」といった啓発活動を行っていました。私自身も毎年乳がん検診を受けていたことが早期発見につながったんです。マンモグラフィーで撮影したところ、砂のように小さな白い点(石灰化)が5粒あったんです。これががんで、しこりになる前の状態のものでした。
- 北島:
- 乳がん検診は私も定期的に受診するようにしていますが、いくつか種類がありますよね?どの検査を受けたらいいのかいつも迷うのですが、検診の際はマンモグラフィーと超音波の両方を受けたほうがいいのですか?

- 増田:

- 40歳以上は2年に1回のマンモグラフィ検診がエビデンスのある検診です。
欧米人の乳房は脂肪が多くて乳腺が少ないのですが、そういったタイプの乳房だとマンモグラフィーでがんを発見しやすいんですね。がんはマンモグラフィーで撮影すると白く写りますが、実は乳腺も白く写るんです。日本人女性の乳房は、欧米人と違って乳腺がたくさんある。「高濃度乳腺=デンスブレスト」というのですが、日本人女性の8割がデンスブレストだといわれてます。欧米人のデンスブレストは4割程度です。デンスブレストだと、マンモグラフィーで撮影しても、白く写る乳腺のせいで、がんがわかりにくくなってしまう。デンスブレストの場合は、超音波の検査も併せて受けたほうがいいと言われています。
- 北島:
- 両方が必要となると、コストもあがりますね。また、自分がデンスブレストかどうかはどのように調べればいいのでしょう?
- 増田:
- マンモグラフィ検診を受けたら、結果を聞くときに、「私の乳房はデンスブレストですか?」と確かめてください。もしも、市町村や職場の検診で、直接医師から結果を聞けないようでしたら、問い合わせればわかりますので、ぜひ「私の乳房はデンスブレストですか?」と聞いてください。もし、デンスブレストだったら、医師が見ても、真っ白でしこりがあるか、ないかがわからないので、「異常なし」という結果が書いてあっても、「見えません(判定不能)」ということを意味するのです。
- 北島:
- なるほど。お医者さんや検診施設に聞いてしまえばいいんですね。こういう知識ってすごく大事だと思います。
- 増田:
- マンモグラフィーで撮影すれば、デンスブレストかどうか、自分の乳房のタイプがわかります。もしも、デンスブレストなら、マンモだけでなく超音波検査も組み合わせて行うことをおすすめします。でも、私の石灰化のように、マンモしか写らない超早期がんもありますので、マンモも受けることが大切です。今、検診施設の結果には、デンスブレストかどうかの記載はされていない場合がほとんどです。私たち女性が自分で声を上げていくことが大事です。アメリカでは、そういった患者の声がきっかけとなり、いまでは24以上の州が検査後に女性に乳房のタイプを伝える義務があり、医師がそれに違反すると罰金刑をともなう法律が定められています。
→デンスブレストについて、詳しくは「NPO法人乳がん画像診断ネットワーク」http://bcin.jp/ をご覧ください。
- 北島:
- そのためにも、「デンスブレスト」という乳房のタイプがあり、それがマンモグラフィーで写らないことを知っておく必要がありますね。
- 増田:
- そうですね。正しい知識を身につけて、定期的に検診を受けることが重要です。がんは早期で発見できれば、抗がん剤治療をしなくてすみます。私自身、とても早い状態の発見だったので、手術後はメンタルのつらさはありましたが、身体的なダメージは少なく、1年後は手術した傷さえわからないレベルになりました。
早期発見には定期的な検診がマスト
- 北島:
- よく言われている、自分の乳房を触ってしこりがないか確かめるというのでは、早期発見はできないのでしょうか?

- 増田:
- 触ってわかるというのは、がんが約2cm以上になっている時です。これは、早期の次の段階で、抗がん剤が必要となる場合が多い。定期的にマンモグラフィーや超音波検査を受けていれば、その前の段階のものを見つけることができます。現在、日本人女性は、12人に1人が乳がんにかかると言われています。先進国の中で、乳がんで死亡する人の数が増えているのは日本だけなんです。その理由が、検診受診率の違いです。欧米は70%以上の女性が定期的に検診をうけているのに、日本人は約30%台にとどまります。だから、残念ながら早期発見が少ないんです。
- 北島:
- 乳がんは40歳を過ぎるとかかりやすくなるのですか?
- 増田:
- 私はい。日本では40歳~50歳の更年期世代がピークです。
40歳以降は2年に1回は乳がん検診を受けることをおすすめします。血縁に乳がんや卵巣がんの患者がいたら、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群というリスクもあるので、20代でもまずは、乳腺科や乳腺外科のクリニックで乳腺科の専門医を受診してください。
- 北島:
- 婦人科ではなく乳腺科なんですね。今日は本当に勉強になりました!
イベントレポート
「FUN! and LIFE!Breast Cancer Festival!」のイベントに参加し、MiMC専用ブースを出展いたしました。
お天気にも恵まれ、 RUN&WALKの参加者様を中心に多くの皆様にMiMC GRACE(エムアイエムシー グレース)、MiMC製品をご紹介させていただきました。
「FUN! and LIFE!Breast Cancer Festival!」
@がん研有明病院
開催日:2016年6月19日(日)
主 催:Breast Cancer Festival 実行委員会
共 催:第24回日本乳癌学会学術総会、公益財団法人がん研究会、がん研有明病院
来場者数:約 800名 RUN&WALK参加者、ボランティア、観覧 /来場者 他
- 6/19(日)、6/20(月)にテレビ・ネットで 掲載されました。
- 【TV】テレ朝「ANNニュース」、TBS「あさチャン」、TBS「JNNニュース」
- 【WEB】読売新聞 オンライン、朝日新聞 オンライン、Yahoo!news
Profile
増田美加
女性医療ジャーナリスト
30年に渡り数々の女性のための医療&健康・美容現場を取材。自身も乳がんを経験し、NPO法人女性医療ネットワーク理事で「マンマチアー委員会(乳房の健康を応援する会)」を主宰。NPO乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人みんなの漢方○R理事長。女性が健康で美しくイキイキと生きるための情報発信を行う。
|
北島 寿
MIMC代表取締役 開発者
アメリカでミネラルファンデーションに出会い、使い心地、効果に感動。2007年アメリカでMIMC,INCを設立。世界で初めて日本人の肌質、肌色に合わせたミネラルファンデーションを開発。MiMCのすべての商品の開発を手がけている。
|